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AR(拡張現実)で実現するフィールド作業のDX 受付終了
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NTT DATA Next Gen Future vol.6

AR(拡張現実)で実現するフィールド作業のDX

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New Normal時代においては、今までの現場に複数人が集まった作業形態だけではなく、作業関係者が離れた場所にいながら、同席時と同等の作業、監視体制の実現や作業前トレーニングを充実させる必要性が高まっています。これらの課題の解決策としてAR(拡張現実)やVR(仮想現実)といったXR技術に注目が集まっています。 本セミナーでは、XR技術の概要や技術動向とともに、2021年にNTTデータがサービス開始するAR作業支援ソリューションについてご紹介します。

株式会社NTTデータ コンサルティング&ソリューション事業本部 次世代技術戦略室 堤 健太

2008年に株式会社NTTデータに入社。地方銀行の共同利用システムのネットワークの構築に従事したあと、クラウド型無線LANを使った新規サービス開発を推進。現在はAR(拡張現実)を始めとした先進技術を使った新規オファリング開発を通して、お客様への価値提供に取り組んでいる。

セミナーレポート

ビジネス環境変化とAR導入のメリット・利用例

今日のビジネス環境の変化として、コロナ下でのリモート型社会への移行、高齢化などによる有スキル者の減少などが挙げられます。こうした課題を解決するために、現場(現実)と仮想(リモート、デジタル)を結びつけるインタフェースとして、xR(AR、VR、MR)を活用したサービスを検討しています。



その中で本セミナーではARの取り組みについてお話します。

AR(Augmented Reality)は拡張現実とも呼ばれ、現実に仮想情報を重ね合わせることができます。IKEA Place、ポケモンGo、TikTok、Googleマップなどが代表的な例です。

ARのメリットとしては以下が挙げられます。

・対象物を認識して必要な情報を重ね合わせることができる

・現実空間では見えない情報を可視化して、物体の内部構造を見せることができる

・仮想の物体の質感や実物大といったリアリティを体験できる

・表示コンテンツを他者と共有できる(リモートでの3Dモデル共有など)

・現実には再現の難しいシチュエーションを疑似体験できる

ARを現場作業に導入するメリットは下図の通りです。たとえば従来2人体制で行っていた作業が、ARを使うと遠隔でもスムースな意思疎通ができ、確認者はリモートでもチェックが行えます。専門家がリモートで対応できるので、人の移動を待たずに現場の状況を伝えることもできます。

保守作業のノウハウの属人化や事前トレーニングといった課題に対しては、3Dマニュアルを活用して必要な情報をAR表示することで、手順を視覚的に直感的に理解できます。またトレーニングに実際の機材が不要で、自宅などリモートでもトレーニングを実施できるというメリットがあります。感染症対策としても効果的です。

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AR作業支援ソリューションについて

NTTデータでは昨年よりScope AR社のAR作業支援ソリューションの提供を開始しています。

ARによって作業者が直感的に理解できる点、3Dマニュアルとリモートアシストの機能を統合している点が強みです。

機能は大きく2つあります。

ひとつが3Dマニュアル機能です。あらかじめ作成した3Dマニュアルをロードし、これを使って効率的に作業できます。

もうひとつがリモートアシスト機能です。現場作業者とリモート支援者(Expert)間をつなぎ、ARを使って作業指示・支援することができます。現場作業者のデバイスとして、Microsoftのホロレンズ、またはタブレット/スマートフォンを利用可能です。

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AR作業支援ソリューションのユースケース、事例

代表的なユースケースは、製造現場、組立作業での使用、事前トレーニングや製品理解での使用、そしてメンテナンスやフィールドサービスでの使用です。

採用事例として、ロッキードマーチン社のNASAの宇宙船を製造している部門では、製造工程の作業指示に作業支援ソリューションを活用しています。作業員がスマートフォンとホロレンズを使って、どの順番にどのような作業を行うかが表示されます。

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ジョンソン・エンド・ジョンソン社ではフィールドワーカーの事前トレーニングにで採用されています。3Dでリアルに表示できるので、実物がなくても自宅などどこでもトレーニングができます。

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メンテナンスにおける採用例として、Meta社-( 元Facebook社)のデータセンターにシュナイダー・エレクトロニクス社の電源設備が入っており、そのメンテナンス作業にAR作業支援ソリューションを活用しています。

適用が考えられる具体的な業務領域として、3Dマニュアルの直感的な分かりやすさとARリモートアシスタント機能を活かして、メンテナンスや故障対応で適用できると考えています。

特に多拠点に展開している保守業務には有効です。3Dマニュアルで作業手順が分かるほか、現地保守員のリアルタイムの作業記録ツールとして、あるいはチェックリスト記録強制のツールとしても使えます。

現場作業員を遠隔で指示しながらメンテナンスや故障対応をすることも可能になりますので、保守対象の機種が多くて現場作業員が手順を覚えきれないという課題を解決できます。

もうひとつの領域は、多拠点に展開している小売業の店員教育です。3Dマニュアルはトレーニング効果が高いため、店員が入れ替わった際の教育コンテンツとして使えるのではないかと考えています。遠隔支援の機能を使うことで、実際の店舗に出向くことなくフォローすることも可能になります。

実機でトレーニングを行う場合、物品の準備や場所の問題が出てきてしまいますが、3Dモデルであれば実物を使わずに済み、場所を取らないため、コストや手間を軽減できます。

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AR作業支援ソリューションの適用が考えられる企業の一例として、機械メーカー様のお客様対応にも適用できるのではないかと思っています。製造工程で使われる3DCADデータを3Dマニュアルに転用できるというメリットがあります。また納入した機械のメンテナンスやトラブル対応の場合、現地駆けつけの間お客様をお待たせしていたところ、一次対応としてリモートアシストで遠隔対応できるようになる、という使い道があります。

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NTTデータでは付加サービスとして3Dマニュアル作成支援サービスとインテグレーションサービスを提供しています。インテグレーションサービスは、AR作業支援ソリューションを現場作業の実績データ取得手段として活用するものです。当社が取り扱うServiceNowとAPI連携することで、現場作業の完了報告や作業員のステップごとの実績データの取得を自動化することが可能になります。

作業員ごとの実績データをServiceNowに蓄積することで、取得した実績データをもとにした業務分析に活用できるなど、働き方改革やDXにもつながると期待しています。

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