今、モビリティの変革により、多くの新しい社会価値が生まれています。今までのビジネスの中心であった製造・販売・アフターセールスのエンジニアリングチェーンやサプライチェーンが変革に迫られています。そして小型モビリティなど新たなモビリティによるマルチモビリティ、さらにはサーキュラーエコノミーの重要性などが新しい価値として生まれています。
こうした新しい社会価値を持続的に提供していくために、NTTデータでは次の4つの戦略領域に取り組んでいます。
・SDX(ソフトウェアデファインド): ソフトウェア中心にモビリティを変革する領域
・SSX(ストラテジックサプライ): サプライチェーンのデータ活用やソフトウェアによる変革の領域
・SVX(サービスバリュー): マルチモビリティの新しい社会価値を提供する領域
・SGX(サステナブルグリーン): 持続可能なモビリティを支える領域
NTTデータは、「モビリティの価値向上」、「業界横断で新たな社会価値創出」という大きく2つのチャレンジを行っています。
モビリティの価値向上というのは既存のクルマの価値を向上し、モビリティ体験を進化させていくチャレンジです。
業界横断で新たな社会価値創出というのは、モビリティ業界だけでなく小売、ヘルスケア、物流などさまざまな業界と一緒になって新しい社会価値を創出しようというチャレンジです。
モビリティの価値向上の面では、自動運転時代を見すえて、ソフトウェアでモビリティを定義するSDV(ソフトウェアデファインドビークル)が重要なキーワードです。その実現のためにNTTデータはクルマ、クラウド、ソフトウェアの変革と進化をテーマに取り組んでいます。
例えば自動運転を前提としたクルマでは、大量なデータの車内流通をどうするか、あるいはAIモデルの電力や処理量の制約をどう解決するかといったテーマを掲げています。
自動運転を支えるクラウドでは、周辺情報の活用による事故低減、先進的なAIモデルを実行・学習する大規模計算リソースに取り組んでいます。
自動運転の信頼性を担保するソフトウェア進化では、AIモデルの継続的な進化やAI品質担保という課題にチャレンジしています。
技術面での取り組みとしては、例えば車両・クラウド上でAIモデルを効率的・効果的に動作させるために、連合学習、モデル軽量化、ITインフラの基盤設計といった技術開発に取り組んでいます。
AIの品質面ではMLOps基盤構築、AIの品質担保、アクティブラーニング、より高度なシーン理解など、高品質で高ロバストなAIモデルのための技術開発を推進しています。
交通データを活用していくために、リアルタイムな交通流の把握、都市交通の渋滞解消、移動デマンド推定、地図生成にも着手しております。
このようにクルマ、クラウド、ソフトウェアの進化の3領域でさまざまな技術開発を行っています。
その一方で社会課題解決の面では、NTTデータは今まで培ってきた技術の活用により、モビリティにまつわる多様な社会課題(物流やタクシーの人手不足、物流2024問題、カーボンニュートラル、交通事故の減少、地方創生など)に対して、技術を活用して解決にチャレンジしています。業際-業界横断の取り組みとして、モビリティを中心に、小売、ヘルスケア、物流、不動産などの業界と連携し、新たな社会価値を創出する取り組みを行っています。
例えばモビリティ×商業施設というテーマでは商業施設周辺の渋滞解消であったり、モビリティ×都市交通というテーマで、オンデマンド交通のポテンシャルを解析して未来の都市交通を探ったり、さらにはカーボンニュートラル領域ではモビリティ×電力ということで、EVの環境や価値創造に取り組むなど、各地で実証を行ってさまざまな成果を得ています。