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モビリティによる社会変革 ~運転データを用いた脳の健康状態推定~ 受付終了
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NTT DATA Next Gen Future vol.49

モビリティによる社会変革 ~運転データを用いた脳の健康状態推定~

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自動車業界は、100年に1度の変革期を迎えていると言われています。そういった大きな業界変革をわたしたちNTTデータがどのように捉え、どのような形で貢献しようとしているのか。 様々な形でアプローチをしていますが、モビリティデータの活用を通じた社会課題解決への挑戦もそのひとつです。 本講演では、モビリティデータを活用した認知機能低下の検知というテーマで、健康寿命の延伸にチャレンジする取り組みを紹介します。kmタクシー様との実証を通じて得られた結果やNTTデータの目指す将来像についてお話します。

このような方におすすめ

  • 商用ドライバーを多く抱える企業の安全管理業務に関わる方
  • 認知機能低下に関連したソリューションに関心・関連のある企業の方

株式会社NTTデータ 第一インダストリ統括事業本部 自動車事業部 平井 聡

NTTデータ入社後、ビッグデータ処理基盤の構築に従事。 その後AIチームを立ち上げ、多様な業界向けのAI開発を推進。並行してAIの数理モデル研究にも携わる。 博士(情報理工学)。 2019年から現職で、モビリティデータを用いた車の価値向上、業界横断での社会課題解決プロジェクトをリードしている。

セミナーレポート

モビリティの変革による新しい社会価値に対するNTTデータのチャレンジ

今、モビリティの変革により、多くの新しい社会価値が生まれています。今までのビジネスの中心であった製造・販売・アフターセールスのエンジニアリングチェーンやサプライチェーンが変革に迫られています。そして小型モビリティなど新たなモビリティによるマルチモビリティ、さらにはサーキュラーエコノミーの重要性などが新しい価値として生まれています。

こうした新しい社会価値を持続的に提供していくために、NTTデータでは次の4つの戦略領域に取り組んでいます。

・SDX(ソフトウェアデファインド): ソフトウェア中心にモビリティを変革する領域

・SSX(ストラテジックサプライ): サプライチェーンのデータ活用やソフトウェアによる変革の領域

・SVX(サービスバリュー): マルチモビリティの新しい社会価値を提供する領域

・SGX(サステナブルグリーン): 持続可能なモビリティを支える領域

NTTデータは、「モビリティの価値向上」、「業界横断で新たな社会価値創出」という大きく2つのチャレンジを行っています。

モビリティの価値向上というのは既存のクルマの価値を向上し、モビリティ体験を進化させていくチャレンジです。

業界横断で新たな社会価値創出というのは、モビリティ業界だけでなく小売、ヘルスケア、物流などさまざまな業界と一緒になって新しい社会価値を創出しようというチャレンジです。

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モビリティの価値向上の面では、自動運転時代を見すえて、ソフトウェアでモビリティを定義するSDV(ソフトウェアデファインドビークル)が重要なキーワードです。その実現のためにNTTデータはクルマ、クラウド、ソフトウェアの変革と進化をテーマに取り組んでいます。

例えば自動運転を前提としたクルマでは、大量なデータの車内流通をどうするか、あるいはAIモデルの電力や処理量の制約をどう解決するかといったテーマを掲げています。

自動運転を支えるクラウドでは、周辺情報の活用による事故低減、先進的なAIモデルを実行・学習する大規模計算リソースに取り組んでいます。

自動運転の信頼性を担保するソフトウェア進化では、AIモデルの継続的な進化やAI品質担保という課題にチャレンジしています。

技術面での取り組みとしては、例えば車両・クラウド上でAIモデルを効率的・効果的に動作させるために、連合学習、モデル軽量化、ITインフラの基盤設計といった技術開発に取り組んでいます。

AIの品質面ではMLOps基盤構築、AIの品質担保、アクティブラーニング、より高度なシーン理解など、高品質で高ロバストなAIモデルのための技術開発を推進しています。

交通データを活用していくために、リアルタイムな交通流の把握、都市交通の渋滞解消、移動デマンド推定、地図生成にも着手しております。

このようにクルマ、クラウド、ソフトウェアの進化の3領域でさまざまな技術開発を行っています。

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その一方で社会課題解決の面では、NTTデータは今まで培ってきた技術の活用により、モビリティにまつわる多様な社会課題(物流やタクシーの人手不足、物流2024問題、カーボンニュートラル、交通事故の減少、地方創生など)に対して、技術を活用して解決にチャレンジしています。業際-業界横断の取り組みとして、モビリティを中心に、小売、ヘルスケア、物流、不動産などの業界と連携し、新たな社会価値を創出する取り組みを行っています。

例えばモビリティ×商業施設というテーマでは商業施設周辺の渋滞解消であったり、モビリティ×都市交通というテーマで、オンデマンド交通のポテンシャルを解析して未来の都市交通を探ったり、さらにはカーボンニュートラル領域ではモビリティ×電力ということで、EVの環境や価値創造に取り組むなど、各地で実証を行ってさまざまな成果を得ています。

モビリティ× ヘルスケア 運転データを用いた脳の健康状態推定

モビリティ × ヘルスケア領域の取り組み例として、運転データを用いた脳の健康状態推定をご紹介します。警察庁様の資料によりますと、認知機能の低下が死亡事故の発生に影響を及ぼしている可能性がある、というデータが出ています。ならば認知機能の低下に着目すれば交通事故を減らせるのではないか、軽度な段階で認知の低下に気づきを与えることで交通事故予防につながるのではないか、という課題感を持っています。

そこで日常の運転挙動データや走行動画データを活用して、危険運転を検知し、脳の健康状態を推定するAIを開発しました。

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そしてkmタクシー様をはじめ、ゼンリン様、NPO法人高齢者安全運転支援研究会様などと協力し、実証実験を行いました。実証はある程度目処がついてきており、運転特性データを活用して脳の健康状態を推定するアルゴリズムの有効性が確認できたというニュースリリースも出させていただきました。※

※運転特性データを活用した脳の健康状態を推定するアルゴリズムの有効性を確認

https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/011701/

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実施内容としては、タクシードライバーの業務中のカメラデータ、運転データ、ドライバーの基本情報(年齢など)をもとに、一時不停止などの危険運転挙動が脳の健康度と相関があることを確認することができました。また論文などでエビデンスの揃った運転行動を統合して指標化することで、ドライバーの特徴の定量化を実現しました。そして脳の健康状態を、運転挙動から自動スコアリングすることが可能になり、脳の健康状態を高い精度で推定できることが確認でき、アルゴリズムの有効性が検証されました。

このソリューションを使うことにより、健康診断に行く手間が省け、継続的なチェックを容易に行えることにより、早めの気づきを与え、早期予防行動を取れるというメリットがあります。

我々としては、運転挙動から脳の健康状態を推定するサービスの提供を目指すとともに、アフターフォローとして 保健士との面談や予防サービスの提供、運転挙動の継続確認などのサービス展開も可能と考えています。

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NTTデータではこうした領域だけではなく、広くモビリティを中心とした安心安全かつ健康長寿な社会の実現に貢献してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします

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