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スマートファクトリー最前線 ~台湾でのEXC-MESによる無人工場の事例~ 受付終了
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NTT DATA Next Gen Future vol.45

スマートファクトリー最前線 ~台湾でのEXC-MESによる無人工場の事例~

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工場のスマート化・DX化が叫ばれて久しいですが、個別改善やツールのPoCで止まってしまい、成果の刈取が出来ずに活動が停滞しているケースが散見されます。 インダストリー4.0が進展する中、日本においてはスマートファクトリーが未だ実現していない企業が多く存在します。 本ウェビナーでは、NTTデータの取り組みとして台湾のスマートファクトリー実現事例をご紹介し、海外の先進事例を通じて日本企業における工場可視化のヒントをご提供いたします。

このような方におすすめ

  • 工場データ可視化、活用にお困りの方
  • スマートファクトリー実現に向けて取り組むべきアクションに迷っている方

NTTデータ台湾 Karine Yan

2019年にNTTデータ台湾に入社し、EXC-MESシステムの多言語通訳に従事しながら、営業活動とマーケティングを実施。近年、EXC-MESをはじめとしたスマートファクトリー関連のサービス提供を推進し、APACのNTT GroupとともにITシステム連携やOT/IT融合の提案を推進。

NTTデータ台湾 Alex Chao

NTT DATA Taiwanの技術ディレクターを務め、Smart Manufacturing Development Centerの運営を実施。20年以上のCIM・MESシステム導入、データマイニング等の実績を有しており、半導体・自動車部品・繊維・パネルなど様々な業界のプロジェクトを成功させ、MESを通じて企業の顧客がデータに基づく意思決定を実現し、製品の品質と顧客体験を向上させる取組みを推進中。

NTTデータ 第一インダストリ統括事業本部 機械・電機・建設事業部 城山 陽輔

2007年NTTデータ入社。製造業でのデータ活用のためのDWH/BI開発、生産管理システム開発を経験した後、製薬業界向け業界プラットフォームの開発~企画・営業まで幅広く実施。 現在はOT/ITによる製造現場改善サービスを始めとして、製造業界におけるITソリューション提案を実施。

セミナーレポート

製造業の現状

製造業を取り巻く現状として環境配慮、労働者人口の減少、消費者ニーズの多様化などの変化があり、ものづくりの高度化が求められております。製造業とデジタルITを活用して、製造工程のデータ可視化、労働者人口の減少への対応としてITによるノウハウの継承や、またAIや3Dプリンターの活用による高度化など、ITの活用により、人を介さずに業務効率を上げ、従来では不可能だったものづくりを実現していくことが大変重要です。スマートファクトリーによって競争優位性のある製品やサービスの実現といった効果が生まれてくると考えています。

スマートファクトリー実現に向けた技術テーマに向けて、NTTデータではインフラストラクチャーからコンサルティング、アプリケーション開発までの幅広い支援により、調達から流通に至る製造業のプロセスにおけるスマートファクトリーの実現への取り組みを進めております。

さまざまなテーマがあるなか、どこから手をつけたらいいかという悩みの企業様もいらっしゃるかと思います。そこで今回は当社台湾チームのお客様支援の事例を紹介します。

NTTデータ台湾 SMDC(Smart Manufacturing Development Center)導入事例・実績

台湾でのEXC-MESによる無人工場の事例を紹介いたします。お客様は、光学コーティングと半導体コーティングを行う製造業様で、AppleやSonyなどの大手企業からの注文増加に対応するため新たな生産ライン構築と品質向上のご要望がありました。これを受けてIIoT(インダストリアルIoT)、企業意思決定支援プラットフォーム、製造実行システムであるEXC-MES、そしてAGVを導入しました。

IIoTと企業意思決定支援プラットフォームの導入により、機器パラメーターをリアルタイムで取得し、機器の状況を可視化できることで管理者が現場に行かなくても機器の状態や稼働率など全体の状況を把握できるようになりました。

EXC-MESというのはNTT台湾独自開発のMESです。導入前は作業員が手動でデータ入力をしており、ミスが多く発生して生産コストの計算とデータ分析が正確でないという状況がありました。EXC-MESの導入後は、生産データのリアルタイム記録と分析が可能になり、品質向上と生産コストの削減を実現しました。また管理者が現場の最新情報をいつでも把握可能になり、異常時にも素早く対応できるようになりました。

そしてAGV(自動搬送車)の導入により、重い搬送装置の運搬を自動化し、AGVのカスタマイズや運行管理、作業台のカスタマイズなどにより、搬送効率の向上と生産量の増加を実現しました。

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導入効果

導入されたことでどのような効果があったかをご紹介します。

EXC-MESは生産過程における不良原因、製造サイクルの仕掛品の数量といった生産データをリアルタイムに記録しており、状況を分析することで改善につなげることができます。この事例では、EXC-MES導入により歩留まり率3%の増加、製造サイクルは10%の減少、仕掛品の数量は23%も減少しました。

またAGV導入前は10人の作業員の2シフトで搬送装置を運んでいましたが、AGV導入により、作業員の負担軽減と搬送効率の向上が実現できました。搬送効率で33%の増加、また搬送効率が上がったことで生産量が年間で6048ボット増加しました。

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プロジェクト実施するにあたって課題もありました。

1つ目はEXC-MESの管理面、具体的に言うとユーザートレーニングの問題です。夜勤する外国人のオペレータが時間的制約や業務の繁忙からトレーニング時間が確保できず、システムを使うことができず生産コストの算出が十分できないという状況でした。そこで当社制作によるシステム操作のトレーニングビデオを活用することで、1週間後には夜勤の方も使えるようになりました。

2つ目は技術面の課題です。AGVを蒸着機という製造設備セットする際にズレなく平行に装置を設置しないと、レンズが割れて膨大な破損コストがかかるという問題がありました。最終的には当社側でXYテーブルとCCDのカスタマイズで解決しました。

このように単にシステムを構築するだけではなく、作業員の教育や機器のカスタマイズなど幅広いソリューションを提供することで、工場無人化プロジェクトは成功しました。今後はロボットアームとコンベアを組み合わせて、より無人化に近づけるよう取り組みを進めてまいります。

スマートファクトリー実現には、システムから機器のカスタマイズまでさまざまな対応が必要です。当社では3つのステップを推奨しています。第1段階は運用の自動化です。そのためにはMESとIIoT の導入が必要です。第2段階はエンジニアリングの自動化です。データサイエンスを使ってMESとIIoTで取得したデータの分析や不良発生の抑制ができます。第3段階はサービスの自動化です。AIを通じてデータを活用して生産自動化を推進します。このように順を追って1つ1つ確実に実施していくことが非常に重要と考えております。

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NTTデータ台湾によるSMDCサービス

当社のサービスのご紹介ですが、まずEXC-MESの特徴を紹介します。EXC-MESはコンテナ化とマイクロサービスを前提に開発されており、高可用性メカニズムによりサービス再起動が1分以内となっています。SAPのERP標準機能と完璧な統合が可能です。大量で多様なデータを蓄積でき、AIとの統合によりモデル作成とトレーニングを行い、さらなるビジネス価値の向上もつなげていけます。業種別テンプレートや柔軟な判断ロジック追加によってカスタマイズの工数削減も可能です。さらにどんなデバイスからでもデータ閲覧や操作が可能です。

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当社が提供できるサービスとしては、今回ご紹介したEXC-MESのほか、倉庫管理システム、IIoTと設備の接続によるモニタリングシステム、データを可視化する企業意思決定支援プラットフォーム、データプラットフォームといった幅広いサービスを揃えています。

先ご紹介したAGV/AMRソリューションは、ベンダーのAGVをEXC-MESなどのシステムや自動ドアといった周辺設備と統合したり、カスタマイズしていったりするソリューションです。

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SMDCの概要

SMDCはSmart Manufacturing Development Centerの略称で、APAC地域の製造業のお客様を支援するCoE(センターオブエクセレンス)となっています。4つのチームで構成されており、製品開発チーム、コンサルタントチーム、工場自動化チーム、ビッグデータ & AIチームがあります。

本日ご紹介した事例に限らず、工場現場を改善する多様な支援が可能なエキスパートが揃っており、今後もあらゆる領域での支援ができるよう取り組みを進めてまいります。SMDCはNTTデータのアジア全体のCoEですが、日本をはじめさまざまな国のスマートファクトリーの取り組みをご支援させていただいております。何かございましたらお気軽にご相談ください。

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Event to be held

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