昨今CX(顧客体験)マネジメントの重要性がますます高まっており、ビジネスKPIやCXデータなどの指標をもとにCX改善サイクルの構築に挑戦する企業様が増えていますが、CX改善の取り組みを組織横断的に管理・運用し続けるのはかなり難しいことであると感じています。
近年、顧客接点が多様化し、市場の変化スピードが速くなっていることなどから、一貫性のある顧客体験を提供することが難しくなってきているという現状を皆様も感じられておられると思います。顧客体験をしっかり意識的にマネジメントしていかなければならない時代が来ています。そのためには、会社の組織や業務を超えて一貫性のある顧客体験を提供して、お客様化、ファン化を加速させていくことが、あるべきCXマネジメントの姿であると考えています。
そんななか優れた顧客体験を検討するアプローチとして、顧客が商品やサービスを認知し購入・利用に至る一連の道のりを時系列で描くカスタマージャーニーマップが使われることが多くなっています。企業の都合ではなく、ユーザー様や顧客の視点で物事を考えるため有用なアプローチではありますが、実際には複雑なカスタマージャーニーマップを一生懸命作成したものの、更新や見直しをせず放置してしまっていたり、自分たちの組織や部署だけで作成して自分たちのKPIのみを確認していたり、過去施策の結果を反映せずに次の施策を考え始めたり、施策を打つこと自体がゴールになっていたり、顧客体験がどのビジネス指標に紐づくか整理されておらず本当にビジネス効果があるか分からなかったりなどの状況に陥っていることが、多々あると思っています。
そうならないためには、カスタマージャーニーを継続的に管理・運用していく仕組みの構築が重要になります。それが「カスタマージャーニーマネジメント」という考え方です。
カスタマージャーニーマネジメントは、比較的耳にすることが多いCXマネジメントの重要な要素の1つです。
カスタマージャーニーマネジメントにより、新たな顧客体験の創出に加えて、多様な顧客タッチポイントから得られるデータを活用して施策の効果の検証を行い、それに基づいてカスタマージャーニーマップを見直し、より良い顧客体験を提供することでCX変革サイクルを継続的に回していくプロセスが実現できます。