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デザイン×データでCX変革を実現する  『カスタマージャーニーマネジメント』 受付終了
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NTT DATA Next Gen Future vol.44

デザイン×データでCX変革を実現する  『カスタマージャーニーマネジメント』

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昨今、CX(顧客体験)マネジメントの重要性が高まってきており、ビジネスKPIやCXデータ等の指標を元にCX改善サイクルの構築に挑戦する企業が増えてきています。 しかし、指標やCX改善取組みを組織横断的に管理・運用する「本質的なCXマネジメント」が実践出来ているでしょうか? 本講演では、そんな本質的なCXマネジメントを実践するための『カスタマージャーニーマネジメント』についてご紹介し、CXの継続的改善と持続的なビジネス拡大を実現していく秘訣をお伝えします。

このような方におすすめ

  • CXマネジメントの導入を検討している方
  • CXの継続的改善について悩みを持っている方
  • カスタマージャーニーマップの管理/運用で悩んでいる方

株式会社NTTデータ DT事業本部 デジタルテクノロジー&データマネジメントユニット サービスデザイングループ 小林慎之介

2022年に中途入社し、AIモデル系システムの開発・運用にPMとして従事。 その後、2023年にTangityにジョインし、国内外の様々なクライアントに対し、デザインプロセスを用い、EX(従業員体験)・CX(顧客体験)変革の支援などを行っている。 また近年は従来のキャリアに加え、カスタマージャーニーマネジメントの支援を実施している。

セミナーレポート

顧客体験の提供における課題とカスタマージャーニーマネジメント

昨今CX(顧客体験)マネジメントの重要性がますます高まっており、ビジネスKPIやCXデータなどの指標をもとにCX改善サイクルの構築に挑戦する企業様が増えていますが、CX改善の取り組みを組織横断的に管理・運用し続けるのはかなり難しいことであると感じています。

近年、顧客接点が多様化し、市場の変化スピードが速くなっていることなどから、一貫性のある顧客体験を提供することが難しくなってきているという現状を皆様も感じられておられると思います。顧客体験をしっかり意識的にマネジメントしていかなければならない時代が来ています。そのためには、会社の組織や業務を超えて一貫性のある顧客体験を提供して、お客様化、ファン化を加速させていくことが、あるべきCXマネジメントの姿であると考えています。

そんななか優れた顧客体験を検討するアプローチとして、顧客が商品やサービスを認知し購入・利用に至る一連の道のりを時系列で描くカスタマージャーニーマップが使われることが多くなっています。企業の都合ではなく、ユーザー様や顧客の視点で物事を考えるため有用なアプローチではありますが、実際には複雑なカスタマージャーニーマップを一生懸命作成したものの、更新や見直しをせず放置してしまっていたり、自分たちの組織や部署だけで作成して自分たちのKPIのみを確認していたり、過去施策の結果を反映せずに次の施策を考え始めたり、施策を打つこと自体がゴールになっていたり、顧客体験がどのビジネス指標に紐づくか整理されておらず本当にビジネス効果があるか分からなかったりなどの状況に陥っていることが、多々あると思っています。

そうならないためには、カスタマージャーニーを継続的に管理・運用していく仕組みの構築が重要になります。それが「カスタマージャーニーマネジメント」という考え方です。

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カスタマージャーニーマネジメントは、比較的耳にすることが多いCXマネジメントの重要な要素の1つです。

カスタマージャーニーマネジメントにより、新たな顧客体験の創出に加えて、多様な顧客タッチポイントから得られるデータを活用して施策の効果の検証を行い、それに基づいてカスタマージャーニーマップを見直し、より良い顧客体験を提供することでCX変革サイクルを継続的に回していくプロセスが実現できます。

ジャーニーマネジメントを実現する”TheyDo”

カスタマージャーニーマネジメントを実現するTheyDoというツールをご紹介させていただきます。

カスタマージャーニーマップを描いた方ならなじみのある構成で、上部には顧客が体験するフェーズやステップがあり、その下に顧客のアクションや課題、問題、ペイン・ゲイン、それと紐づくエモーションのグラフがあります。

大きく違うのは、CX指標やビジネスKPIなどのデータがカスタマージャーニーマップの中に組み込まれている点です。例えばWebサイトの訪問数や顧客満足度など顧客体験に基づく指標をデータで追っていけるのが大きなポイントとなります。

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さまざまな外部ツールとつなぎ込みを行えるのも重要なポイントです。

Qualtrics、Salesforce、Snowflake、Miroなどの様々なツールとつなぎ込みが可能になっており、TheyDo上でそれらを可視化してインサイトを導き出すことができます。

カスタマージャーニーマップを実行・管理していく部分では、Figma、Jiraなどとも連携することができ、ソリューション開発の進捗状況や開発画面デザインをTheyDo上で検討することができます。

またJourneyAIという特徴的なAI機能を搭載しています。インタビューやリサーチのデータをJourneyAI に読み込ませることで、ある程度のカスタマージャーニーマップの型が生成でき、顧客のアクションやペイン・ゲインも自動でプロットできるなど、効率的なカスタマージャーニー構築が可能です。

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開発企業であるTheyDo社はオランダのスタートアップ企業で、Microsoft様やSnowflake 様といった有名企業からも出資を受けており、ツール導入企業もCisco様やadidas様など100を越えております。NTTデータは2024年7月よりアジア太平洋地域で初めてTheyDo社とパートナーシップ契約を締結※し、TheyDoを用いてお客様のカスタマージャーニーマネジメントのご支援を加速していこうとしております。

※TheyDo社とのパートナーシップ契約により部門横断型の顧客体験支援を強化

https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2024/072400/

TheyDoの特徴

・顧客体験ジャーニーをひとつの情報源に統合

組織ごとに異なるジャーニーを作って、各々が別の角度で違うソリューションを検討しているようなケースでは、TheyDoのプラットフォームによって組織横断で施策を検討し、一貫したCXを提供することができます。

・一連の体験改善サイクルをワンプラットフォームで実現

カスタマージャーニーマップの作成、注力する改善ボイントや機会領域の特定、施策の検討、実行した結果をCX指標やビジネスKPIなどの指標から検証、さらなる改善ポイントの特定といった継続的な改善サイクルを1つのプラットフォームで回していくことが可能になっています。

・顧客価値/ビジネス価値の両軸から機会領域に優先順位をつける

多くの解決すべきポイントや機会領域が出てきて、どこから手をつけたら分からない状況に陥る場合もあります。TheyDoは顧客価値とビジネス価値の2つの軸から機会領域を定量的に評価し、その結果をもとに優先順位をつけて施策の検討に移ることが可能になっています。

また顧客の問題・課題が多い部分は赤色に、問題・課題が少ない部分は緑色にというふうに、一目で、お客様が不満や不安を抱えている部分がどこにあるのかが分かるようになっています。

・ジャーニーヒエラルキー機能

カスタマージャーニーは単純に1つのカスタマージャーニーでシンプルに描いて完結できるようなものではありません。例えば大きな概念としてのジャーニーがあって、そのなかにいろいろなジャーニーが存在している場合もあります。こうしたジャーニーの階層構造を構築することも可能になっています。自分の部署がどの部分を担っているのかが俯瞰して見られるようになっています。

・大幅な作業効率化

TheyDo社のデータによると、JourneyAI機能によってカスタマージャーニーマップの作成時間が従来の39時間から4分に短縮された、同じ時間で10倍の量のマッピングが可能になった、組織間の調整が3倍速くなった、顧客満足度が37.4%上昇した等のデータも出されています。

”TheyDo”を活用した事例紹介

TheyDoを活用したイメージ事例として、旅行を計画して、旅行に行き、観光地を訪問して、移動して、帰宅後に旅行を振り返るというカスタマージャーニーマップを作成しました。

JourneyAI機能を使って、Miroというホワイトボードツールに書き起こしたインタビューデータを TheyDo上のAI に読み込ませます。すると一連の旅行体験のカスタマージャーニーマップが自動生成されます。旅行の準備、観光地の訪問などのフェーズやステップを自動で作成してくれるわけですが、複数を1つに統合することや複数に分割することも手動で自在に行えます。異なるフェーズに、アクションのカードを移動することもできます。各フェーズやタッチポイントで顧客が感じている課題や問題も自動でプロットされます。複数のペルソナ・顧客像を設定することもできます。

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お客様が感じている課題や問題、いわゆるペイン・ゲインはステップやアクションと紐づけてプロットされており、それはどの程度の課題・問題なのかを定量的に重み付けすることができます。各ペイン・ゲインの数値を設定すると、感情の波が形成されます。例えば旅行の計画のステップにおける体験が最も損なわれていることが確認できたりします。こうして抽出したペイン・ゲインから解決すべきポイントである機会領域を、メンバー間や組織横断で一体となって導き出していくことができます。ここでもJourneyAIを用いて機会領域を導き出していくことも可能です。機会領域優先度付けのプロセスでは、カスタマーバリューとビジネスバリューの数値を設定していただくことで、バリュースコアが可視化され優先度の高さが一目で分かるようになっています。

実行フェーズではJiraのようなプロジェクト管理ツールとの連携で、ソリューションの開発状況や進捗状況を可視化できます。ソリューション実行後はQualtricsなどのエクスペリエンスデータと紐づけを行うことで、CXデータの推移を追っていくことが可能になっています。

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まとめとなりますが、カスタマージャーニーマップを構築し新たな顧客体験を創出していくことは重要です。そして多様なタッチポイントで得られるデータを活用して施策効果の検証を行い、それに基づいてカスタマージャーニーを見直していくという継続的なCX変革サイクルを起こすカスタマージャーニーマネジメントがさらに重要度を増していきます。

我々はTheyDo社とパートナー契約を提携し走り始めたところですが、NTTデータの幅広い顧客接点とTheyDo社のこれまでのナレッジやノウハウをかけ合わせて、お客様のカスタマージャーニーマネジメントの活動を加速させていきたいと考えております。カスタマージャーニーマップの管理運用にお悩みや課題感をお持ちの方は、ぜひお気軽にお声がけいただければと思っています。

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