AI活用は“競争力”の時代へ
ここ数年でAIは急速に進化し、多くの企業で活用が進みました。「AIを使うこと」から「AIをどう事業成果につなげるか」が重要なテーマになっています。個人や部門単位の業務効率化というテーマから、今後は全社横断でAIが業務そのものを担い、収益機会や事業成果の創出を支える存在に広がっていきます。AIは効率化ツールではなく、企業競争力を生み出す経営資産へと変わりつつあります。
先進企業ではAI投資が急速に拡大しています。例えば海外の事例では、全社共通のAI基盤に巨額の投資を行い、その投資を上回る価値創出につなげています。つまりAI基盤への投資は単なるIT投資ではなく、企業成長を加速する「攻めの投資」として位置付けられ始めています。
このようにAI活用が経営課題となる中で、AIそのものだけでなく、それを支える基盤の重要性が高まっています。NTTデータでは、お客様の事業価値創出を支える「AI-Empowered New Value & Productivity」と、それを支える「Next-Gen Infrastructure」の両輪で全社AI活用をご支援しています。
AI-Empowered New Value & Productivityは、お客様の事業価値創出を支えるAIアプリケーションやAI実行基盤の領域を指します。Next-Gen Infrastructureは、それを支えるクラウド、データセンター、ネットワーク、セキュリティなどの基盤領域です。NTTデータでは多くのパートナーと連携して、お客様の要件に応じた最適なソリューションを提供しています。

インフラ戦略は次のフェーズへ
AI活用が個別業務から全社規模へと広がる中、インフラには「設計・統合・運用」の最適化が求められます。背景にあるのはAIの役割の変化です。これまでは人がAIを使う世界でしたが、今後はAIが自律的に判断し業務を実行する世界へと進みます。AIエージェントが部門を横断して情報収集・判断・実行を行うようになると、インフラに求められる前提も変わります。
まずリソース配置です。従来はデータと計算リソースを中央集約していましたが、今後はデータの近傍で処理を行うなど、ワークロード特性に応じて最適な場所へリソースを配置するとともに、それらを高速接続するコネクティビティの確保が重要になります。次にガバナンスでは、人のアクセスや操作だけでなく、AIの利用や判断に対する統制が必要になります。そして運用面では利用量やコストの変化に応じて継続的に最適化する運用が求められます。その結果として、AIを「どこで動かすか」「どう統制するか」「どう運用するか」という3つの観点での追加検討が必要です。
例えば配置、つまりAIを「どこで動かすか」の観点では、機密データと公開データの切り分け、パブリッククラウドとプライベートクラウドの使い分け、GPUやネットワークの配置が重要になります。
AIの統制の観点では、AIの判断根拠を説明できる状態やAIサービスへの入出力を適切に監視・制御する仕組みが求められます。運用の観点では、利用量や要件変化に柔軟に対応できるモデルの確立と、自社運用と外部委託の役割分担の明確化が鍵になります。

これらを考慮せずにAI活用を進めると、重要データを十分にAIで活用できないといった制約や、AIを適切に統制できないことによるリスクの増大、運用負荷やコストの増加といった問題が発生します。
このような問題に対応するうえで重要なのは、AI対応を新たな取り組みとして切り出すのではなく、現在進めているインフラモダナイゼーションの延長線上で検討することです。基盤整備の段階から将来のAI活用を見据えたうえで配置や設計を行い、セキュリティや運用についても既存のシステムを考慮しながらAI時代の要件を織り込んで再設計することが、次世代インフラ戦略につながります。

次世代インフラ戦略実現に重要なポイントは大きく5つあります。第1にAI基盤の最適選択、第2にGPUや電力を含む基盤環境、第3に低遅延ネットワーク、第4にAIセキュリティガバナンス、第5に統合マネジメントです。これらは個別ではなく全体最適で考える必要があります。
AI基盤の選択では、ワークロード特性やリスクを踏まえた最適な実行環境の選択が重要になっています。特に、機密データの利用制約、データ管理・法規制対応、サービス制限や停止リスク、AI利用拡大に伴うコスト予測の難しさなどを背景に、プライベートクラウドを選択するニーズが高まっています。NTTデータではこうしたニーズに対応するため、プライベートクラウドサービスの拡充を進めています。「GPUaaS」や「ソブリンクラウド」により規制対応やデータガバナンスを考慮したAI活用が可能になります。

AI需要の拡大により、GPU不足や電力不足が世界的な課題となる中、AI基盤を支えるデータセンターの重要性が高まっています。NTTデータは国内最大規模のデータセンター事業者として継続的な設備投資を進めており、GPU、電力、設備を安定的に確保できる環境を整備しています。
またデータの収集、蓄積、処理、学習、推論などのワークロードが複数拠点に分散するなか、分散した基盤を低遅延かつ高信頼で接続し、あたかも1つの環境のように利用できるネットワークが求められます。NTTデータではIOWNといった先進技術をはじめとする多様な通信基盤を活用することで、分散したAI基盤を一体利用できる環境を提供しています。

AIリスクに対するセキュリティ対策では、AIは判断根拠の説明が難しく、一見正しい結果でも妥当性の判断が困難な場合があります。人が最終判断する業務であれば大きな問題にならない場合でも、AIエージェントが自律的に業務を実行する場合では、その判断が直接業務に影響を及ぼすため、AI利用に対する適切な統制が重要となります。さらにAIの技術進化や使用するモデル、利用部門の変化などにより統制やリスク対策も変化します。そのため、AI活用においては一度ルールを作って終わりではなく、継続的なリスクマネジメントが重要です。リスクの定義・評価・対策・監視のサイクルを継続的に回し続けることが、安全なAI活用につながります。NTTデータではAIガバナンスの整備、ガードレールやモニタリングツールを組み合わせて継続的に安全に使える仕組みを提供しています。
AI時代の運用モデルについては一度構築した環境を維持するだけでは不十分で、導入後も利用量や要件は大きく変化し、運用上の考慮事項は増え続けます。そのため、利用状況や要件に応じて継続的に見直すことが重要です。そこで必要となるのが、可視化、統合制御、最適化、レジリエンスといった要素です。クラウド、データセンター、ネットワーク、セキュリティといった複雑なインフラを横断的に可視化し、統合的に管理・最適化することで、変化する要件に柔軟に対応できる運用を実現します。さらに、AI活用が進むほどインフラ構成や運用は複雑化するため、どこまでを自社で担い、どこからパートナーへ委託するのかを含め、運用モデルそのものを見直すことも重要です。NTTデータでは、統合マネジメントの仕組みを通じて、AI時代のインフラの安全・最適・一元的な運用を実現し、継続的なAI活用を支援しています。
Next-Gen Infrastructure実現に向けて
本日お伝えしたかったポイントは3つです。
●AI活用は企業競争力を左右する経営課題である
●AI活用の拡大に伴い、インフラ戦略も次のフェーズに進む必要がある
●その実現にクラウド、データセンター、ネットワーク、ガバナンス、運用を一体で考える必要がある
NTTデータの強みはこれらを全体最適の視点で提供できることです。多様なパートナーとの連携や豊富なモダナイゼーション実績を活かし、お客様に最適な構成を一気通貫でご提案することが可能です。
本日ご紹介したテーマについてお悩みや関心などありましたら是非お気軽にご相談いただければと思います。
